POS治療の提言 - 痛みを治す治療から健康増進の為の治療

廃車さんに来る初診患者は、大抵は「歯が痛い」からやって来ます。
歯痛の原因はわからず来院します。
治療行為は、本来は歯痛の原因を分析し、診断して、治療を行ない、根本的に歯痛が解決するように努めなければなりません。その過程で歯痛の原因が診断名や病名になっていきます。

歯痛の原因はたくさんあります。

「歯医者さんに行って歯を治療したけれども痛みがとれない」
「歯を抜いたのに歯痛が治まらない」

歯医者さんでいくら治療しても検査をしても歯痛の原因が見つからない・・・。

患者の歯痛の問題が1つや2つならばよいが、多数の問題をもっている場合は整理していかないと、カルテも診療も混乱してしまう。このため問題ごとに整理することが必要になります。

精神的ストレスで歯の周りの血管が充血して、歯痛が引き起こされたのかもしれません。
歯の治療を何度か行った結果、歯の神経から脳へ痛みを伝える神経伝達回路が混乱して歯痛を起こしているのかもしれません。

こんな場合に歯科治療を行ったら、症状を悪化させるだけであって治療効果はないと考えられています。

だから患者さんの問題をよーく聞き出すことが、治療の第一歩なのです。

その内容から、主観的な内容(歯痛)、客観的な内容(歯ぐきの腫れ、特発性歯痛)、評価(神経性ストレス)、計画(抗うつ薬、抗精神病薬を用いた治療)というように4つに分けることができます。
実際に医療行為は、この情報の収集(問診と所見、検査結果)、思考、行動(各種オーダ)のサイクルの繰り返しということができます。

POSの構造

POS(problem oriented system)、あるいはPOMR(Problem Oriented Medical Record)は、これらのサイクルをカルテ化するための記載法です。
POSで標準化された普遍的な形式の中に、このサイクルを客観的に記述することで、科学的な記録として診療録を作成します。
POSでは、問診票などからわかる問題リストにその患者の問題(problem)を発生順に記入していきます。
そして日々のカルテの中で、それぞれのproblemにつき、subjective(主観的データ)、objective(客観的データ)、assessment(評価)、plan(計画)を記入していきます(SOAP式記述)。

POSカルテのメリット

・誰が見ても分かりやすい診療記録
・チーム医療の円滑化
・患者の状況について、歯だけでなく全体的な問題を把握できる
・臨床能力を養える
・診療の質が上がる
・全人的歯科治療の基盤となる

POSカルテの欠点

・実際には、診療記録が多くなり、記録作成に手間と時間がかかる
・スタッフの労働負担が増え、診療所の経費増加につながる
・POSにとらわれ過ぎると、患者への配慮や自由な発想、柔軟性を欠く恐れがある。

POS式診療の患者の反応

患者には評価が高い。
診療後のカウンセリング時間を設けることで、説明が行き届いて安心できるとの評価が多く、総じてPOS治療の応用で、患者の信頼感が増している。

スタッフの反応

「上記のような欠点もあるが利点が多く、やりがいが増す」
「診療録記録の為の時間的余裕がほしい」

POS治療の必要性

・超高齢化社会になり、歯科治療を受ける患者に有病者が多くなり、他医科との連携の必要性が増している
・介護保険の実施や在宅医療の普及で、さまざまな職種のスタッフとのチームプレー医療が要求されてきている。
POSは、医療、介護スタッフの共通言語になる
・医療情報の開示要求が高くなってきている
・卒後研修制度の普及
・監査・指導時に、POS治療に基づくSOAP式記述診療録が明快で効果的

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Category: POSカルテ

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